確定申告の基礎知識
確定申告とは

 「確定申告」とは、個人の方が自分自身の納めるべき年間の税金の額を計算・確定し、それを税務署へ届け出ることをいいます。

 所得税、すなわち個人の所得に対して課税される税金の対象は、1月1日から12月31日までの1年間に発生したすべての所得に対してなされます。そのため、その1年間に発生したすべての所得について、その本人が自分でその額を確定し、さらにその所得に対する税金の額を計算して、翌年の決められた期間中に税務署に対して申告しなくてはなりません。

 確定申告には、確定した年間の税額を申告するばかりではなく「源泉徴収」(給与所得・利子所得などについて、支払う側が支払いの時点で所得税を徴収すること)された税金や、すでに予定納税で納めた税金の総額などと比較し、税金の額が超過している場合には戻してもらったり、反対に足りなかった場合には追加で支払ったりして、最終的な税額を精算するという目的もあります。

 

事業所得とは

 事業所得とは、農業、漁業、鉱業、建設業、製造業、卸売業、小売業、飲食業、金融業、不動産業、運輸業、医業(お医者さん)、著述業(作家)、弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、などの自由業、野球やゴルフなどのプロスポーツ選手やタレント、保険の外交員なども事業所得になります。

 しかし、貸家やマンション、土地を持ち不動産の貸付をおこなうものは、不動産所得、林業は山林所得(保有期間が5年を越える山林の譲渡による所得)となります。

 このほか、事業を行なう上で生じたものでも、次のものは事業所得にはなりません。

@事業用資金を銀行等に預金したことから生ずる利息収入(利子所得になる)

A取引先の株を所有すること等による配当収入(配当所得となる)

B自動車など事業用固定資産を譲渡することによる所得(譲渡所得となる)


決算書の内容

 決算書には、一般用、不動産用など、数種類の決算書があります。それぞれ、基本は同じですが、用途に応じ使いやすく工夫された作りになっています。事業を営む個人が使うのは、通常一般用の決算書です。

 一方、税金を納めるための「確定申告書」は一面、二面とA4用紙を縦長にした用紙で、項目と記入欄が記載しやすいように色分けされています。白抜き数字が裏面に 1 、 2 とあり、表面に 2 のつづきから 6 まであります。この白抜き数字はまさに、記入順番を意味していて、通常この順に必要な部分を記入していくことになります。


1 所得金額

所得税法上、所得の種類は10種類。
これを発生源別に分類すると次のようになります。

 

発生源 所得の種類
労働の結果に得られる所得
給与所得 退職所得    
資本や資産をもとに働くことから得られる所得
事業所得 山林所得    
資産運用が所得を生み出す所得
利子所得 配当所得 不動産所得 譲渡所得
その他の所得
一時所得 雑所得    

 

 租税負担の公平を期すため、不労重課(働かないで得られた所得には重い税金)、勤労軽課の目的を所得計算体系に盛り込んだといわれています。

 各所得種類毎に収入から必要経費および専従者控除額があればこれも差し引き所得金額を計算します。この表が「5 納める税金の計算」の所得金額の内訳となります。事業所得、不動産所得などは、さらに所得金額を計算する別紙「収支内訳書(青色申告決算書)」が要求されます。

 

2 所得から差し引かれる金額

 社会保険料控除、医療費控除、生命保険料控除、損害保険料控除、配偶者控除、扶養控除など。税額を計算するもととなる「課税される所得金額」を求めるとき、納税義務者の生活状況を考慮して一定額を所得金額から控除する仕組みです。

 健康保険料や年金の負担額、多額にかかった場合の医療費や生命保険・損害保険の保険料の一定額、生計が一緒で扶養する必要がある場合の扶養控除など、生活を送るに必要な最低限の控除項目と金額が決められています。上記の他に、雑損控除、寄付金控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、小規模企業共済等掛金控除があります。当てはまる項目のみ裏付けとなる証憑にもとづき記入します。

 

3 税金から差し引かれる金額

 「所得金額」から「所得から差し引かれる金額」を差し引き「課税される所得金額」を計算し、これに税率を掛けることで「税額」を計算します。この税額から控除されるものが「税金から差し引かれる金額」です。

 これには、配当控除、住宅等取得控除、政党等特別控除、災害減免額、外国税額控除、源泉徴収税額、又特別減税があれば、これも税金から差し引かれる金額となります。自らが居住する住宅を購入した場合、一定の要件を満たすと、税額の控除を受けることができます。これが住宅取得等特別控除です。又、個人事業を営むとき、取引する企業から所得税を差し引かれて受け取る事があります。このように所得税が源泉徴収された場合、年明け早々その企業より、「支払調書」と呼ばれる紙が送られてきます。これは、一年間に企業との間で取引した金額および企業が所得税を源泉徴収した金額を記入した確認書です。

 

4 事業専従者(青色申告特別控除)

事業専従者とは、

@青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。

Aその年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。

Bその年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。

白色申告の場合、配偶者は86万円、配偶者以外の親族の場合50万円が限度で経費として収入から控除することができます。 青色申告の場合、「青色事業専従者給与に関する届出書」に記載した範囲内の金額で実際支払った金額が青色専従者給与として経費となります。白色申告の場合限度額がありますが、青色申告では、提出する資料や日々の帳簿の記載などがありますが節税に役立ちます。

青色申告特別控除

(1) 65万円の青色申告特別控除

この65万円の控除が受けられるための要件は、次のようになっています。

ア)不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。

イ)これらの所得の金額に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。

ウ)確定申告期限内に、イの記帳に基づいて作成した貸借対照表を、損益計算書とともに、確定申告書に添付し、その適用を受ける金額を記載して提出すること。

A) 現金主義によることを選択している人は、65万円の青色申告特別控除を受けることはできません。
B) 不動産所得の金額又は事業所得の金額の合計額が65万円より少ない場合には、その合計額が限度になります。ただし、この合計額とは損益通算前の黒字の所得金額の合計額をいいますので、いずれかの所得に損失が生じている場合は、その損失をないものとして合計額を計算します。
C) 不動産所得、事業所得の順に控除します。

(2) 10万円の青色申告特別控除

 この控除は、(1)の要件に該当しない青色申告者が受けられます。

A) 不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の合計額が10万円より少ない場合には、その金額が限度になります。ただし、この合計額とは損益通算前の黒字の所得金額の合計額をいいますので、いずれかの所得に損失が生じている場合は、その損失をないものとして合計額を計算します。
B) 不動産所得、事業所得、山林所得の金額の順に控除します。

 

5 納める税金の計算の流れ

税金の計算は次の算式になります。

納める税金の計算の流れ

 

@ 事業所得、不動産所得、配当所得、給与所得、雑所得、一時所得

A 基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、生命保険控除、障害者控除、小規模企業共済等掛金控除、地震保険料控除、寄付金控除、寡婦・寡夫控除、勤労学生控除

B 住宅借入金等特別控除、配当控除、政党等寄付金特別控除、外国税額控除、住宅耐震改修特別控除、電子証明書等特別控除

 

6 住民税・事業税に関する事項

 所得税と住民税や事業税ではその取扱いが違っている事項があるため、設けられています。ここに記入することで、住民税や事業税の申告を別途行なわなくてすみます。

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